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ポンペイ遺跡について

ポンペイ遺跡とは
ポンペイ遺跡はイタリア・ナポリ近くにある古代遺跡です。
西暦79年8月24日に、近くにあるヴェスヴィオ火山が突然大噴火し、その火砕流により一瞬で地中に埋もれてしまった幻の都市。
その後約2000年近く眠り続け、発掘されたのは1748年。
一瞬で埋もれたが故にほとんど当時のままの建物や道路が残っており、今そこを歩くとまさに古代ローマ時代にタイムスリップしたような感覚になります。
ポンペイ遺跡の見どころ
多数の遺跡群
当時2万人ほどの都市だったと言われるポンペイは、これまでに44ヘクタール(銀座の面積の約半分)ほどが発掘されています。
これまでに見つかった遺跡としては多くの神殿や円形闘技場、劇場や集会用広場、図書館、教会、裁判所、市場、浴場等々。



テレビでよく見かける遺跡が、ここではまとまった群として見ることができ、ローマの街中のコロッセオやフォロ・ロマーノ以上に古代の雰囲気が満載。
広い広場の向こうには、この街を滅亡させたヴェスヴィオ火山が悠然と構えているのも印象的です


庶民の生活感溢れる建物
遺跡群の中には、一般庶民が住む民家や商店街も保存状態良く残されていて、当時の生活感を知ることが出来ます。
貴族の館や一般庶民の家々。
パン屋さんには立派な焼き釜があったり、ワイン貯蔵庫を備えた居酒屋(バール)や、公衆浴場など。



当時の生活が今とあまり変わらぬ豊かさだったんだと実感出来るでしょう。
当時のまま発見されたフレスコ画
ポンペイ遺跡でもう一つ有名なのは、教会や家々に飾られていたモザイク画やフレスコ画といった絵画です。
一瞬にしてこれらも埋もれてしまったことで、色彩豊かな当時の絵画がそのまま残されています。

「猛犬注意」の絵や、「アレキサンダー大王とダレイオス3世の戦い」(いずれもレプリカですが)のモザイク画が有名ですが、中でも注目は娼婦の館に飾られているフレスコ画。
なんでも描かれているのは、その部屋の女性の得意技だとのことで、今ではその絵が貴重な研究資料になっています。
もちろん技の研究ではなく、使われた色材や図柄の研究です(笑)
再現されている悲劇
今でこそ世界的な遺産ですが、それは一瞬にして命を奪われた人々の悲劇の場所でもあります。
ポンペイ遺跡の発掘初期の頃、所々から小さな空洞が発見され、そこに石膏を流してみたところ、それが子供をかばったまま埋もれてしまった母子だったり、うずくまり苦痛に叫ぶ男の姿だったり。
一瞬で溶岩に覆われてしまった人々は、2000年の間に徐々に腐敗分解され、それが空洞となったという訳です。
顔の表情もそのまま転写されている石膏の一部が展示されていて、思わず手を合わせたくなります。


注意点
遺跡見学については特段気をつけることはありません。
ただ遺跡周辺には北アフリカや中近東方面からの難民がジプシーとしてたむろしている場合があります。
特に子供たちには要注意。
エキゾチックでとっても可愛い顔立ちの子たちですが、残念ながらそこ子たちは、ニコニコしながら集団でバックやスマホを引ったくりに来ることがあります。
服装/持ち物

イタリアは温暖な気候なので、春夏秋は日本と同じ感覚の服装、冬はちょっと薄手で良いと思います。
夏は日差しを遮るものが殆どないので、帽子やサングラス、日焼けどめ、飲み水持参が良いと思います。
持ち物とは関係ないですが、バスツアーで訪れる場合、上述のジプシーたちは、スキあらば勝手にバスの中にも入ってくるので、大事な持ち物は置きっ放しにしないようにしましょう。
ポンペイ遺跡へのアクセス方法

ツアー
ツアーの場合はバスで訪れると思いますので、そこはお任せ。
広い内部をポイント抑えて案内してくれるツアーがオススメです。
電車利用の場合
ポンペイには空港はないので、個人で訪れる場合は電車が便利です。
ナポリからはトレニタリア(Trenitalia)鉄道、チルクムヴェスヴィアーナ(Cirumvesuviana)鉄道の2つの鉄道会社がポンペイ行きを走らせています。
どちらも2.6ユーロ、出発駅はナポリ中央駅です。
トレニタリア(Trenitalia)鉄道
ナポリ中央駅からサレルノ(Salerno)駅行きに乗ってポンペイ駅で降ります。
チルクムヴェスヴィアーナ(Cirumvesuviana)鉄道
ナポリ中央駅からソレント(Sorrento)駅行きに乗ってポンペイ・スカヴィ(Pompei Scalia)駅で降ります。
営業時間
4/1~10/30
月曜~金曜 9:00~19:30(入場は18:00まで)
土曜~日曜 8:30~19:30
11/1~3/31
月曜~金曜 9:00~17:00(入場は15:30まで)
土曜~日曜 8:30~17:00
休み
1月1日、5月1日、12月25日
料金
15ユーロ
ポンペイ遺跡のオススメ度 10点満点

子供連れ ☆☆☆☆☆☆ 6点
子供にとっても退屈する場所ではないと思いますが、この貴重さがわかるのは大人になってからではないでしょうか。
ファミリー ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8点
ある程度子供が大きくなったファミリーにも是非オススメです。
世界史好きの人にはたまらないでしょう。
カップル ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8点
ふたりで遺跡の中を歩くのもロマンチックなものと思います。
一人旅 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8点
ひとりで遺跡の中を歩くものオツなものと思います。
グループ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9点
小集団でワイワイ巡ると、自分が気が付かない見所を他の人が見つけてくれるので、とても楽しいと思います。
私のオススメ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 10点
とにかく保存状態が良い遺跡、広大な遺跡群が広がっているので、歴史好きな人にとっては古代ローマを肌で感じ取れる素敵な場所です。
イタリアに行ったら是非行ってみて下さい。
感想/終わりに
ローマ帝国が繁栄した理由の一つが、高い技術力による整ったインフラだったと言われています。
例えば所々にある石でできた水路は極々わずかに傾斜していたり、一見平に見える石畳の道路もわずかにアーチ型で、水はけがよくなっているとのこと。
このことで溜まり水のない、清潔で安全な水が絶えず街を潤していました。
今も昔も水は命だった訳です。
当時パソコンや車、電気すらなかった時代に、どうやってこんな精密な道路や、街全体を俯瞰した水路の設計ができたのか。
街全体が遺跡だからこそ感じられるその高い技術力には、個々の遺跡以上に驚きを感じます。
イタリア旅行の際には、是非オススメしたい世界遺産です。
ちなみに、その石畳には所々に男性のシンボルがデザインされた石が埋められています。
そのシンボルが指し示す方向に行くと、例のフレスコ画のかかった館にたどり着けるそうな。
おおらかな時代だったことが感じられます。