オーストラリアのクイーンズランド州南東部に位置するゴールドコースト。
日本との時差もほとんどなく、年中温暖な気候と開放的な雰囲気でとても人気のある地域です。
大手航空会社の就航はもちろん、LCCのおかげで直行便でも格安で旅行することができるうえ、夜便のため眠っている間に到着できるという魅力たっぷりの場所です。
なかでも多くの観光客でにぎわうサーファーズパラダイスは、その名前からか海のイメージが強い都市ですが、そこから車で北西に抜けて1時間弱走ると雰囲気は一転。
タンボリンマウンテンという山の中に佇む町に到着します。
道中には、タンボリンマウンテンの特産品でもあるアボカドの無人販売所や、手入れの行き届いた家々のお庭に気分も高まります。
少しずつ標高が上がるにつれて遠くに見えてくるサーファーズパラダイスの街並みもまた格別です。


タンボリンマウンテンの見どころ
ギャラリーウォーク
タンボリンマウンテンのなかでも観光客に人気のスポットのひとつが、ギャラリーウォークと呼ばれる通りです。
その名の通り地元アーティストの絵画が展示や販売されているお店や、日本ではあまりみかけないキャンディの一種「ファッジ」やコーヒーの専門店、文房具をメインにした雑貨屋さんなど、個性豊かなお店が軒を連ねています。
その長さは500mほどとさほど長くはありませんが、両サイドに並んでいるのでお気に入りのお店をじっくり見てまわるのにちょうど良い距離です。
木のぬくもりが感じられる店内やアンティーク調のお店が多く、丁寧につくられた商品にくぎ付けになりました。
ここでしか買えない1点ものもたくさんあるので、家族や大切な人へのお土産を選ぶのもよいかもしれませんね。
それぞれのお店の個性は入り口から溢れ出ており、木の妖精の彫刻が門で迎えてくれるお店や、職人さんが手掛けるドイツの鳩時計が壁中に所狭しと並んでいる専門店など、どのお店から入ろうかワクワクすること間違いなし。
絵本のなかに出てくるような雰囲気の町に、思わず子どもにかえったような気分になれます。
タンボリンマウンテンの特産品はほかに、ワインやチーズなどの乳製品もあります。
ギャラリーウォークの近くにはワイナリーやチーズ工場があり、ワインテイスティングやチーズ製造の様子をガラス越しに見学することができます。
丘の上
ギャラリーウォークから車を走らせること15分。
突然、道路の向こうに広大な丘が見えてきます。
その景色はまさに圧巻のひとこと。
パラグライダーやハンググライダーの発着所ともなっており、休日になると時折、そこから飛び立つ人に遭遇します。

タンボリンマウンテンは、クイーンズランドの州都ブリスベンからも1時間ちょっとで来られるという距離から、地元オーストラリアの人もよく訪れます。
眼下に広がる壮大な景色を眺めながら、丘の斜面に座ってゆったりとした時間を楽しむのもツウの過ごし方。
地図にもあまり載っておらず、他のスポットに比べるとあまり紹介されていないのが不思議なくらい素敵な場所です。
タンボリンマウンテンを訪れるなら、必ず行っていただきたいスポットです。
土ボタル
先ほど紹介した丘の上からほど近い場所に、土ボタルに会える「グロウワームケーブ」という名前の洞窟があります。
キラキラした青白い光を放つ、土ボタルという幻想的な名前を持つこの生き物。
実は、ハエの幼虫なのです。
空腹時や繁殖時に出す粘膜が光って見えるのですが、とても綺麗です。
土ボタルは繊細なため、残念ながら写真撮影はできません。
ここではガイドさんの説明のもと、洞窟内をまわっていきます。
通常は、ガイドも上映される説明ビデオも英語のみとなりますが、日中でも見られるように工夫された施設なので、一度はみておきたい美しい生き物です。
ゴールドコーストにはほかに、スプリングブルック国立公園という天然の土ボタルが見られる場所もありますが、結構な距離山道を歩くので、子ども連れの方にはこちらの洞窟がおすすめ。
また、ガイドさんが来るまでの待ち時間に、オーストラリア固有の動物が園内を歩いている姿に遭遇することもあるかもしれません。
国立公園
続いてのおすすめは、国立公園を歩いてまわるブッシュウォーク。
公園内にはハイキングコースが設けてあり、熱帯雨林で暮らす動植物に出会ったり、小さくはあるもののいくつかの滝を眺めることもできます。
マイナスイオンたっぷりの公園内。
木々もひとつひとつがとても大きく、見ごたえがあります。

大人がすっぽりおさまるほどの、ぐるりと一周した板根をもつ木や、地元の人に「絞め殺しのいちじく」と呼ばれる、隣接する木を飲み込んだいちじくの木なども存在します。
自然界の力強さや厳しさを感じながら、生き物に癒される場所。
しっかりと聞いてまわりたい方には、少し離れた場所にあるラミントン国立公園とセットになった国立公園をめぐるツアーなども出ています。
また、「スカイウォーク」という、熱帯雨林の中に建てられた高さ約30mのコースを歩いて空中散歩を味わえる施設もあります。
大人は$19.5
実際に空中散歩感があるかと言われれば…というコースなので、個人的には施設自体は1度行けば充分という感想ではあります。
しかし、施設内が1.5kmということと、入り口ではこの地域に暮らす爬虫類コーナーが出迎えてくれるので、小さなお子さんと広い国立公園内をひたすら歩く大変さを考えると、子ども連れの方にはスカイウォークがオススメです。
タンボリンマウンテンンの注意点
タンボリンマウンテンンの一番の難点は、なんといってもアクセスの悪さ。
公共交通機関で行く方法はないので、ツアーに参加するか、レンタカーを借りなければなりません。
タンボリンマウンテンの町自体にもバスなどは走っていないので、現地でも車がなければ移動できません。
ただ、ゴールドコーストからは下道で行っても片道1時間を切るので、日帰りでじゅうぶん楽しむことができる距離です。
レンタカーを借りるつもりなら国際免許は警察署や免許センターで発行してもらうことができますし、オーストラリアは左車線右ハンドルのうえ道路が広いので、比較的運転はしやすい国です。
ただしもちろんのこと、その国の交通ルールは覚えるに越したことはありません。
右から走行してくる車を優先する円形状の道路ランドアバウトが多数存在しますし、スピード違反にはとても厳しく罰金も安くはありません。
なお、店じまいも早いので、レンタカーを借りている時間内に返せば大丈夫と閉店間際に返却してもスタッフがいないことも時々あります。
帰りは日本とは少し勝手の違うガソリンのセルフ給油も念頭に置いて、時間に余裕を持って現地を出発しましょう。
終わりに
観光都市のど真ん中ではなく、オーストラリアの壮大な自然を満喫するのにとてもオススメの場所です。
小さな町ではありますが、1日かけてのんびりと好きな時間を過ごすのは最高の贅沢。
また、レストランの入ったホテルもいくつかあるので宿泊も可能です。
ホテルの家具も、タンボリンマウンテンらしくアンティーク調の家具が揃っており、街中とは違う内装に囲まれて過ごすことができます。
私は以前ゴールドコーストに住んでいましたが、海の町のイメージとかけ離れた山中のかわいいこの町に、日本から来てくれる友人を必ず案内していました。
自身の挙式も、ここタンボリンマウンテンの挙式場にてガーデン挙式を選びました。
とにかく何をとっても絵になる町です。
滞在期間にゆとりがある方は、ぜひ足を延ばしてみてくださいね!
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