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アンコール遺跡について

アンコール遺跡とは
アンコール遺跡は、カンボジアの都市シェリムアップ北部に位置するクメール王朝時代の遺跡群の総称です。
10世紀以上前から建立されてきた遺跡群で、その数は有名なアンコール・ワットをはじめ40以上にも達し、世界文化遺産にも登録されています。遺跡毎にいろいろな特徴があり、見ていてとても楽しいです。
そんなアンコール遺跡のなかでも特にインパクト大で、是非訪問してほしい遺跡をいくつかご紹介致します。
アンコール遺跡の見どころ
アンコール・ワット
アンコール遺跡群の中でも最も有名なのは、アンコール・ワットでしょう。シェリムアップの中心部から北に6.5kmほどの場所に建立されたヒンドゥー教の寺院です。

そのアンコール・ワットが最も美しい姿を見せるのは早朝でした。写真のように、日の出をバックにしたアンコール・ワットはとても幻想的で、非日常感を味わうことができました。
アンコール遺跡観光をする上で絶対に外せないスポットだと感じました。
尚、繁忙期でなくとも早朝から混雑しますので、到着が遅くなりすぎると日の出に間に合わないかもしれません。時間に余裕をもって早めに行動した方がよいです。
また、日が昇った後も見どころがいっぱいでした。特に第三回廊からの寺院全体の眺めは絶景でした。石段が急で登るのが大変なことと、登りの順番待ちで大行列ができていましたので早めの時間に並びましょう。

アンコール・ワットの超巨大沐浴場

アンコール・ワットの内部には、20m四方はあろうかという巨大な沐浴場が複数造られていました。深さも2m程度あり、そのスケールに圧倒されました。
沐浴場の脇には石の階段から設置されており、中に降りることができます。ただ、沐浴場を囲うように通路があり、そこを観光客が歩き回っているため、中にまで入る人はあまり見受けられませんでした。
一方で、通行が自由ですので写真を撮る場所は自由度が高いです。大きなお風呂を前に撮影する写真はインスタ映えすること間違い無しですので是非お試しください。
彫刻が美しいバンテアイ・スレイ
バンテアイ・スレイ とは「女の砦」の意味を持つ寺院です。他の遺跡よりも比較的規模が小さいのですが、他の遺跡にない特徴が三つありました。

一つは、千年以上経過しているにもかかわらず遺跡の彫刻の保存状態が非常に良かったという点です。様々な彫刻の掘り込みは驚くほどしっかりと残っていますので必見です。
また、彫刻だけでなく、遺跡の柱なども角がしっかりと残っていて、つい最近建てたのかと感じました。このような特徴からこの遺跡はアンコール美術の至宝と称賛されているようですが、その名に恥じない美しい遺跡でした。

二つ目は通路に建てられた石柱。
これは男性器を模したものだそうで、高さは1mほどです。
言われてみると確かにそれを連想させるような特徴を備えていて、少し笑ってしまいました。

三つ目は、デヴァターの彫像です。遺跡の中心部付近にある建屋に彫刻されていて、非常に保存状態もよく、美しい彫像でした。
この美しさからこの像は東洋のモナ・リザとも呼ばれているようなのですが、まさにその通りで美術品としても価値がありそうなデザインでした。
穴場の巨大遺跡タ・ケウ

「クリスタルの古老」の意味を持つ寺院で、王の死去によって未完成のまま建設が止まった寺院です。有名どころの旅行代理店のツアーではほとんど取り扱いが無いちょっと穴場の遺跡です。
見どころのない遺跡と思いきやそうではなく、未完成ながらも高さや大きさの感じられる遺跡でした。寺院内には階段が多数設置されており、特に寺院の中央部にある階段は非常に角度が急で圧倒されてしまいました。

這いつくばるようにしてこの階段を登りきると、遺跡を中心とした美しい自然を見渡すことができました。

また、頂上には記念撮影をしてくれる現地の方がいらっしゃいましたので記念に頼んでみるのもよいかもしれません。
尚、階段には手すりが無いので上り下りには注意が必要ですが、現地の方にチップを渡すことで安全なルートを教えてもらうことができるので、抜け駆けしたい方は是非。
大木と融合したタ・プローム寺院

アンコール・ワットからほど近い寺院で、アンコール・ワットと併せて訪れるのがオススメです。
この遺跡の見どころは院のあちこちと一体化しているカジュマルと呼ばれる大木です。大木が完全に建物にめり込んでいてコレまで見たことのない光景が広がっていました。

また、寺院の中央には5mほどの塔がありますので、是非中に入ってみてください。
2畳ほどの広さの塔ですが、この中に立って胸をたたいて、その音が塔内で大きく響けば響くほど体が健康であるという現地の言い伝えがあるそうです。叩き過ぎにはご注意。

謎の多い巨大遺跡ベン・メリア

こちらの遺跡「ベン・メリア」の特徴は、発見当初から崩落しており、修復などを行わず発見当初のまま手付かずの状態で残っています。思った以上に遺跡の各所が崩落していて遺跡というイメージにふさわしい雰囲気を醸し出していました。廃墟マニアの方には特におすすめです。
また、この崩落の関係で調査が進んでいないようなのですが、全貌が解明されればその規模はアンコールワットをも凌ぐとも言われています。崩落した壁の向こうに未知の遺跡が眠っていると考えると冒険心が掻き立てられます。
遺跡の中に崩落する遺跡から伸びた大木があり、その風貌はジブリ映画「天空の城ラピュタ」の崩壊後のラピュタ城に似ています。崩落する遺跡のイメージも相まって、一時期はラピュタのモデルとされたのではないかと話題になりました。実際はモデルではないようなのですが、その風貌はインパクト絶大です。

アンコール遺跡全般に言えますが、崩落した石材もそのまま置かれていますので歩く際は足元に注意してください。
アンコール遺跡の注意点
トイレに紙が無い
ツアーで申し込むホテルや比較的綺麗なレストランは問題ないのですが、アンコール遺跡周りにある店等のトイレは紙が基本ありません。
また、水洗ではなく貯めた水を桶ですくって流したり、近くに設置されたホースで直接おしりを洗うなど、かなりワイルドな仕様ですので、気になる方は、携帯ウォッシュレットの携帯をお勧めします。
スリにご注意
特にスマホは現地の方にとっては高級品のため、スリのターゲットになり得ます。
私自身が経験したわけではありませんが、自撮りしようとスマホを構えたりしているところをひったくられたといった事例も発生しています。
可能であればストラップ等で首に掛けるなど、肌身離さず持っておくことなど注意してください。
アンコール遺跡のオススメ度

わたしのオススメ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 8点/10点
良い点は様々な特徴をもった遺跡の数々が楽しませてくれること。古代の英知を目の当たりにして興奮すること間違いありません。
反面悪い点は、遺跡のあるエリアが広範であるため、トゥクトゥク等を使っての移動は必須ですので時間がかなりかかります。遺跡を回るルートをよく検討したり、観光時間を十分確保することをお勧めします。